第7章 破壊力抜群
おまけーーーー
『…師範。』
「どうした!」
『その…眼帯なんですが…』
「眼帯がどうした!」
『お役目…退かせてください。』
「よもや!何故だ!」
恒例の杏寿郎への眼帯を着ける行為に、ついに雪が白旗を挙げた。
『心臓に悪いんですっ!』
「何故だ?」
『な?!…何故って………』
「???」
『じ…』
「じ?」
『自分で考えてくださいっ!』
「よもっ?!……よもや…」
眼帯をベシッと顔面に受けた杏寿郎は、訳がわからないまま呆然とする。
蝶屋敷邸
「煉獄さん、本当に分からないんですか?」
「あぁ!だから、こうして胡蝶に聞いている!」
「(…雪さん、お可哀想に…)」
今朝の一連の行動を蟲柱である胡蝶しのぶに相談する杏寿郎。しかし、ここでも答えをすぐに貰うことは出来なかった。
「胡蝶でも分からんか?」
「いいえ?私には雪さんの気持ちが十分に分かります。」
「よもや!なら教えてくれないか?」
「これは、煉獄さんが気付くべきですよ。」
「むぅ…そうか!なら、俺が頑張るしかないな!邪魔をした!」
そう言って杏寿郎は、薬を手に帰っていく。
その姿を見ながら、しのぶは呟く。
「好きな殿方の眼帯姿…それを間近でされる身にもなってごらんなさい。雪さんも大変ですね。」
杏寿郎がその事に気づくのは、あまりにも気づかずに業を煮やしたしのぶによってお説教されてからだった。
『師範の眼帯姿…心臓が持ちませんて!!!!』
fin.(終われ)