第2章 本の世界へ…
「本の神様なんているんだ?」
私はちょっと信じられなかったけど、動物達と普通に話してるから、そうなのかな?と思った。
「まぁ、それは置いといて…
真紀ちゃんはどの本の中に入りたいの?」
ミケランは切り株に立って私に聞いた。
「私、小さい頃シンデレラになりたかったの!」
ミケランは耳を倒して少し困った様子だった。
「本の中には入れるけど、残念ながら出演者にはなれないんだ…」
「え~っ、そうなの?
…でも、シンデレラの世界へ行ってみたい!」
シンデレラになれないのはちょっと残念だけど、やっぱり好奇心の方が勝っていた。
「じゃあ、僕の横に立って…」
私は切り株に上がり、ミケランの横に立った。
「我、森の図書館司書ミケランが本の神に請う
彼の者の願い、叶え賜え!」
ミケランの呪文が終わると切り株が眩いほどの光りを放った。
「きゃっ!」
私は目を開けていられなかった。
「真紀ちゃん、目を開けてごらん」
すぐにミケランが声を掛けてくれた。
目を開けると目の前に立派なお城が現れた。
「うわぁ~♪お城だぁ!」
「ここは舞踏会が行われるお城の城下町だよ」
お城に目を奪われていたけど、言われてみれば賑やかな町中にいた。
たくさんの人が行き交い、いろんなお店があった。