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森の図書館

第1章 市立中央図書館?


私はいつものように木漏れ日の合間を抜けて図書館に向かっていた。

かさかさっ

草が動く音がした。
「えっ?…うさぎ?」
音がした方を見ると、草の影にうさぎの耳みたいなのが見えた気がした。
(いくら森と言っても、こんな街中にうさぎなんていないよね)
私は気を取り直して図書館に向かった。



ぎぃー

図書館のちょっと重い木の扉を開いた。
入り口を入るとすぐに木のカウンターがあって、中に司書のお姉さんが座っている…?
「…えっ?外?」
私は確かに木の扉を開けて図書館の中に入ったはずなのに、目の前には森が広がっている。
振り返ると木の扉だけがそこにあって、図書館はなかった。
「…なんで?」
私は呆然とその場に立ち尽くしていた。
すると…。

ぎぃー

木の扉が開く音がした。
「あれ?君は誰?」
扉は開いたけど誰も入って来なかったのに声がした。
「…?」
声がしたのは足元、私が下を向くと黒いうさぎが見上げていた。
「ま、まさか…ね」
私は一瞬思った事をすぐに取り消した。
(どう見てもうさぎよね
喋るうさぎなんているわけないし、さっきの声は扉の向こうからに決まってるわ
そうよ、私はまた外に出ちゃったのよ)
私は一人納得しようとしていた。

しかし…。

「ねぇ、君は誰?
何でここにいるの?」
目の前のうさぎが喋った。
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