怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第7章 選抜術式試験
2組の男子生徒
「っ」
呪符を貼られた事に気づいた彼は私から距離を取ろうとした。
でもその前に私が耳元へと顔を寄せる。
「どーん」
2組の男子生徒
「…え?」
そう言うとこちらを見た彼と目が合った。
困惑した彼に笑顔を向けて、私は首元の呪符を剥がす。
「これ、強力な起爆符です。発動させると首を飛ばしちゃうからここまでにしました」
2組の男子生徒
「あ…」
彼は肉体を強化していなかった。
生身の、しかも首に起爆符の爆発を受けると死ぬ可能性は充分にある。
私の発言だけでそれを理解した男子生徒は、力が抜けたように崩れ落ちた。
その様子を見て監督官も立ち上がる。
監督官1
「勝者は1年9組、零崎 愛梨!」
「…ありがとうございました」
初戦は実力をほとんど見せずに勝利できた。
安心した私は一礼して試合場から降りる。
担任
「零崎さん、この短時間で相手に負けを認めさせるなんてさすがね!」
「ありがとうございます」
連勝にテンションが上がっている担任に笑顔で答えてからその横を通り過ぎた。
担任
「この調子!次も勝つわよー!」
「………」
この試験は恐らく担任の評価にも影響してくるのだろう。
誰よりも張り切っている担任に呆れそうになっていると、こちらに近づいてくる2人組に気づいた。
深夜
「お疲れ、愛梨ちゃん」