怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
第4章 子供時代
生き残れた。
今日の感想はそれしかない。
「………」
私の目の前には先程までは動いていた、自分と同年代の子供の死体がある。
これは紛れもなく私が殺したのだ。
もうこんな事を毎年繰り返している。
殺したくて殺しているのではない。
殺さなくては私が殺されてしまうからこうするしかないと自分に言い聞かせるしかなかった。
こんな生活が始まったのは5歳の頃からだ。
帝ノ鬼が運営する幼稚園に所属していた私は、毎日簡単な事で競わされていた。
足が速いか。
言葉の習得は早いか。
呪術の才能はあるか。
それを全国に何ヶ所もある幼稚園でやっていたらしい。
私はその中でも才能がある特殊園児のチームの1人に選ばれたのだ。
父親
「すごいじゃないか!」
母親
「期待に応える為に呪術をもっと勉強しないとね!」
言われた通り呪術の勉強を頑張った私は、それから数日経って園長先生に呼び出された。
園長先生
「愛梨ちゃん、本家様からお声がかかったわよ。すぐに転園するからこれからは東京で頑張ろうね」
「え…、すぐに?」
園長先生
「そうよ。はやく準備しましょう」
その日から私は両親には会えていない。
後から聞いた話では両親には本家から3億円が支給され、更には帝ノ鬼の中での階級が何段階もあがったらしい。
だから私が帰って来なくても別に良いのだと言っていた事も伝えられた。