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怨念の一輪草【終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】

第9章 戻った日常




暮人
「一瀬 グレン、お前はここで死ね」


そう言って暮人は刀をグレンに向ける。


美十
「そんなっ…!」

五士
「くそっ、最悪の展開だな…」


この急展開に動揺を隠さずに叫ぶ2人。
暮人が殺すと言ったのだ。
全員が弱いと思っているグレンでなくても、ほぼ確実に殺される。


「深夜」


でも私は落ち着いていた。


「体勢、変えれる?」

深夜
「…ん」


今の体勢ではグレン達を見る事ができない。
だからこその問いかけに、深夜は本当に短く返事をして少しだけ頭を上げようとした。


深夜
「っ…」


だが、痛みが酷いらしい。
このままでは今から始まるビッグイベントを見逃してしまう。


「ちょっと持ち上げるよ」


だから深夜の頭を私の膝の上に乗せて、グレン達の事を見えるようにした。


「あっち、辛いだろうけど見てた方がいいと思う」

深夜
「………」


返事はない。
でも聞いていないのではなく、意識を途切れさせないようにあちらに集中しているのだろう。


「…始まった」


私達の視線の先にいる暮人がグレンへと真っ直ぐ向かっていく。
その速さは圧倒的で、私でも全く適わないと思わされる程だ。


グレン
「速…」


さすがのグレンもこの速さには驚いているように見える。


グレン
「でも悪魔に魂を売った真昼ほどじゃねぇな」


でもすぐに不敵な笑みを浮かべ、刀を引き抜いた。
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