第10章 ジムチャレンジ開会式
迎えたジムチャレンジ開会式
ジムリーダー達の控え室は、いつになくピリピリとした雰囲気に包まれていた
「はァ〜〜〜〜〜ッッッ……緊張する……」
ガクガクと震える足を抑えながらキバナと並んでベンチに座っていると、隣にルリナちゃんが腰掛けた
「大丈夫?ていうかアンタ、ちゃんとメイクしたの?いくらすっぴんが綺麗だからって今日は誤魔化せないわよ」
「したよ…制汗剤と…リップ……」
「そんなのメイクって言わないの。ほら、こっち向いて。私がするから」
ルリナちゃん…いつも通りでいてくれてありがとう。
おかげで少しだけ緊張が解けた気がする……
「ね、キバナ、どう?かわい?」
少しドキドキしながら、スマホをいじるキバナの方を向いた
なんて、言ってくれるかな…
「……ッ!!…あ〜、可愛い可愛い」
「絶対思ってないでしょ!!」
一瞬だけこちらをチラッと見たキバナは、適当に返事をして、私から顔が見えないように頬杖をついた
「あれ、マイ。今日はジャケットとグローブ、こおりタイプなのね」
ルリナちゃんが何気なく言ったその一言で、控え室はしんと静まり返った
「なんじゃなんじゃ、喧嘩でもしたのかい?」
「へ?喧嘩?……キバナと?」
ヤローさんが少し遠慮気味に私に聞いた。
私は、一瞬、喧嘩という意味がわからなかったけど、ドラゴンタイプという関連からキバナとの事だとわかった
「おいおい!!オレさまとマイが喧嘩する訳ねえだろ!?昨日だって!!仲良くマスキッパ捕まえに行ったんだからよ!!」
(マスキッパ……また告白できなかったんだね。キバナ。)
キバナがすかさず反駁する。