第9章 師弟+α
「最近よォ、マイがオレに冷てえと思う」
「こおりタイプだからじゃねぇんですか?」
「真面目に聞いてくれよっ!!!」
オレが今いるのは、スパイクジムのコートのど真ん中
久しぶりにネズに負けた。
そりゃ、ネズは強い…ダイマックス使えないここで勝つってのはすげーと思う…
こんなこと言うと、負け惜しみに聞こえるだろうが言わせてもらう。
今回の負けは、負けに入らねえ。
なんてったって、オレの心がノってなかったからな。
いつもならスパイクタウンを砂で埋めてやる勢いだが、今回はコートだけを埋めた。
そんな中オレさまはコートのど真ん中で体育座りをしている。
「カガリが来てからよ……マイと会う日が減ったんだよ……」
「知らねぇですよ。そんなの」
「別にカガリが嫌いって訳じゃないんだがな?……なんだか、俺だけ仲間はずれみたいでよお…」
「だってアンタ、+αの枠でしょう?師弟+α」
+……α!?
ネズの言葉がオレの心に突き刺さった
オレがαなのか!?
オレの方がずっとマイと長くいるのに!?
オレが!?あるふぁ!?あ、る、ふぁ!?!?
納得いかねぇ!!!
オレは砂の中から、ばっと立ち上がった
「オレさまはαなんかじゃねえ!!カガリがαなんだよ!!」
気がついたらそう叫んでいた。
自分でも驚いたが、燃え上がる闘志に歯止めは効かなかった
「今日こそマイに告ってやる!!!見とけよ!!明日からはカップル+αだぜ!!!」
「はいはい、うるせぇですよ。さっさと行きやがれ」
本能的に走り出す。
行き先は、俺の中ではもちろん決まっていた