第8章 ワイルドエリア
「フュウウウ……」
姿を現したのはさっき潜っていったはずのミロカロス
一体何をする気だ?とその場にいた全員が身構える
自分のHPが少ないのも、勝ち目がないのもわかっているはず。そんな状況で何をするつもりなんだ?
すると、ミロカロスはずるずると陸へ上がった
アーボックのようにうねうねと進みながら、カガリへと近づいた。
当然、あいつのポケモンは威嚇やらなんやらをするがミロカロスは全く動じなかった
「フュルル」
ミロカロスがそう小さく鳴けば、周りのポケモンは、うんうんと頷いてカガリのバッグを漁った
どんどん中身が散らばっていく様を、カガリはあっけらかんとした表情で見ていた
マイもオレも予想出来なかった事態に混乱する
「ギャウウ!!」
リザードが何かをコロコロと続けて転がした
よく見るとそれは、様々な種類のモンスターボール。
ミロカロスはしばらくそれを吟味した後、ダイブボールへと吸い込まれていった
カチッ
軽快な音がボールから鳴った
「……へ?」
普段の知的なカガリからは想像出来ないような間抜けな声を漏らす
「えーと、カガリがミロカロスを捕まえたってこと……??」
「そう……みたいだな……」
こうしてカガリはよく分からないまま新たな仲間を手に入れた。