第5章 雪のような白肌に
「いや、その……すっげー……かわいい、、」
文末へいくに連れて小さくなっていくその言葉は私の耳には聞こえなかった
「ごめん、聞こえなかった。もう1回言って?」
若干首を傾げながら言うと、キバナは顔を真っ赤にして自分のバンダナを下げて顔を隠した
「だから〜ッ!!可愛いっつってんの!!めっちゃ!!可愛い!!」
ぶっきらぼうに言い放ったそれは、思っていたより大きい声でロビーに響き渡った
一瞬にしてこちらに集まる視線
「か、帰ろっか」
私はそんな視線に耐えきれずバッと立ち上がり、キバナとその場を去った
……***
「あのさ…」
帰り道、キバナが立ち止まって口を開いた
「マイ、本当は…ダンデに勝ってから言おうと思ってたんだけどよ……」
キバナが顔を赤らめる
ああ、この状況は何度も経験したことがある
告白、されるの…………???
「オレ、ずっとマイの事が……!!!」
ポンッ!!
キバナが次の言葉を紡ごうとした瞬間、遮るように私のポケモンが飛び出した
「コン」
「キュウコン、どうしたの?」
普段ならこんなことしないのに、どうかしたのだろうか
「ちょ、おいキュウコン」
キバナが私に手を伸ばすと、キュウコンは尻尾で私を抱き寄せた
「コォン」
そしてキュウコンは自分の背中に私を乗せて走り出した
「!?キュウコン?ちょっと!!え?どういうこと〜ッ!?」
『まだあげられないよね』
「…え?」
「コン?」
今一瞬だけキュウコンが喋ったように見えたけど…気のせいだよね
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キバナside
キュウコンはマイを乗せて走っていってしまった
今日こそは伝える筈だったのに。
恋敵とはこの事か……??
まさかな。相手はポケモンだ
だけど、マイを乗せて走り出した時アイツが一瞬だけ言葉を話したような気がした
一体、オレが告白するのはいつになるのやら
まあ、その前にダンデに勝たないとな