第18章 出会い⦅過去編①⦆
キバナside
オレさまん家の隣は、地元でも有名な人が住んでいた。
地元ってか、地方で有名?
まあとにかく、有名人が住んでた。
オレは、最初その人をテレビで見た時、一瞬ダーテングかと思ったね。
絵に描いたような厳格な眉毛に杖、オマケに使うポケモンなんてバケモンじゃないかと思うくらいデカくてゴツイ。
マンムーにクレベース、コオリッポやヒヒダルマ。
紅一点、可愛いはずのグレイシアなんて筋肉バキバキの防御の鬼。
⦅アイス・ビースト、ヤツデ!!またもや勝利!!これで三連勝です!!!⦆
手を伸ばしても届かない人なのに、隣に住んでるなんてな……。
2階の窓から隣の家を見れば、そのはもう別世界。
庭なんて、広いだけじゃ言い表せない。まさに庭園。
「……?あれ、……え!?」
ずっと1人で暮らしてると思ってた。
けれどそんなオレの考えを一変させるような光景が、そこには広がっていた。
ヤツデの爺さんなんかとは似ても似つかないような少女が庭でゴツイポケモンと戯れている。
歳はオレと同じくらいだろうか、ここからだとよく見えないけれど、銀色の髪が綺麗だ。
まさか…誘拐!?
あの家に好んで近づく奴なんて余程の命知らずだ。
オレだって滅多な事では出向かないのに。
オレはその日から、その子の事が気になって仕方なくなった。