第10章 甘い毒は誰のために❥徳川家康
それから、数日がたったとき。
家康の毒はだいぶ抜けていっているのか家康のあの現象はだいぶ落ち着いてきた。
それでも家康は甘えてきている。それは嬉しいことだが、私もだんだん疲れ初めていた。
そのとき。
「おい、分かったぞ!!」
政宗がすぱーんっと襖を開けた。
「おいっ!家康はっ...って。お前何ていう顔をしてんだよ...」
「え?」
「お前、私疲れてますって顔してんぞ。ほんとに大丈夫か?」
「うん、大丈夫。それで、家康はどうなの?」
政宗は何か言いたそうだったが、家康について話し始めた。
「...あいつはただの毒じゃない毒に侵されていたんだ。」
「ただの毒じゃない毒?」
「あぁ。」
「愛している人に普段言えないような本音を言うっていうものだ。」
(え?)
「だから家康が急に意識を失ったのはそれを恥ずかしいと思う家康の本心が表れていたんだろう。」