第8章 変身!ちぇんじまじっく!❥織田信長
「...それで、なんだ?」
「貴様は動物になって、俺の何を知りたかった?」
(...っ)
信長様の本心を知りたかった、なんて言えないだろう。
私が口を閉ざしていると...
「...そんなに言いたくないか。」
その言葉にはっとして信長様を見上げると、信長様の瞳の奥に悲しそうな光が見えた。
その瞳に突き動かされ、私は口を開いた。
「っ、私は、信長様の心を覗きたかったんです...」
「...心?」
「はい、私と信長様は喧嘩、してしまったじゃないですか。それで、信長様が本当はどう思ってるか、知りたかったんです。」
私がそう打ち明けると信長様はふっと笑って私に囁いた。
「...俺が思っていることはいつも一つだぞ?」
(...え?)
そう言うと信長様が口を開いた
「俺は、貴様以外に欲しいものなど、ない。貴様が俺の人生の全てだ。」
「...っ」
...そうだ。信長様はそういうお方だった。
きっとこれまでもずっとそうだったのだ。信長様が人生をかけてわたしを守ってくれていたと、知っていたのに。
「...すいません。」
なぜかいたたまれなくなって私は謝った。
「俺が、求めているのはそんな言葉じゃない。」
(え?)
「貴様は俺に、愛していると言えばいいだけなんだ。」
...いつもそうだ。信長様は私の心を揺り動かす。
「はい、愛して、います。信長様。」