第8章 変身!ちぇんじまじっく!❥織田信長
(私も、信長様の事を分かろうとしなかった)
私と信長様では考え方が違う。
それを分かっていたのに、信長様の言うことを聞かなかった。
私も、信長様と同じようなことを考えていたのだ。
(信長様と、お話したいなぁ)
私は強く祈った。
__動物から戻りたい。信長様とちゃんとお話したいと。
その途端。
ぽんっ
そんな音がしたと思うと私の体は靄に包まれた。
「!?」
(!?)
信長様も私も目を丸くしたとき、靄の中で私が動物から人間に戻っていくのが分かった。
靄が晴れたとき...
「一体何が起こったんだ...?」
信長様の声がした。
そして私を見ると...
「!?!?」
本当にびっくりしたという目で私を見つめた。
「信長様...」
そう私が言った途端、信長様が私を抱きしめた。
「貴様、長すぎるぞっ...!」
(っえ、)
私が動物になっていたのは信長様が私の部屋に来て3時間くらいだ。
(あんまり長い時間じゃなかったけど...)
「あの...信長様...?」
まだ抱きしめる手を緩めない信長様に不思議に思って声を上げた。
信長様が呟いた。
「お前が、動物になっていたのは、知っていた。」
「っ、え!?」
(なっなんで!?)
「貴様が迷わずに天守に入って、俺が文机に座れと言ったとき、迷わずに座った。俺が貴様以外を奥の部屋まで入れる筈がないからな。知っているのは貴様だけだった、というわけだ。」
(そ、そんなとこまで見てたの!?)