第7章 変身!ちぇんじまじっく!❥徳川家康
(それにしても、)
家康はさっきからずっと私が林檎を食べているのを見つめている。
(?どうしたのかな)
「あんたってさ。大好きな人とかっている?」
(え、)
私は固まった。家康はなんの話をしているのだろうか。
「俺は、恋仲の人と喧嘩しちゃったんだけど...」
(私?)
そこまで言って家康ははっと我に返った。
「リスに何言おうとしてんだ...」
そう言いながら自分の昼餉を食べに戻った。
(...もしかして、大好きな人の心の中を見えるってこういうことなのかな。)
私は本当に心の中が見えるのかと思ったが、そういうわけではないらしい。
(...家康の本音、聞きたいなぁ)
そんなことを思いながら私は林檎を食べ続けた。
その晩の夜。
「あんたさ。」
急に家康が私に話しかけた。
「ほんとに華は帰ってくるよね?まだ帰ってきてないんだけど。」
私はここなのだから、帰ってくるどころか傍にいる。
うんうんうんと大きく頷いた。
それを見た家康はふっと笑い...
「あんたって何か... 華に似てる。」
「きぃ!?」
(わかるの!?)
「...その必死な姿とか、ご飯を美味しそうに食べる姿とか。
そんなところに惚れたんだ。」