第5章 方程式のつくりかた❥明智光秀
____それと同じ頃、俺が華に会うために足を急がせていると...
「光秀様!」
香夜姫が俺の方に駆けてきた。
(今は華のところに行きたいんだがな。)
それでも一応姫だ。きちんと対応していかないとこれからの関係にひびが入るかもしれない。
「どうされましたか?」
俺が聞くと、香夜姫がいきなり足を抑えだした
「痛っ...」
(?)
「どうしましたか?」
香夜姫はいきなり足を抑えて痛そうにしている。
「そのっ...大変申し訳無いんですが、さっき光秀様に駆け寄った時に足をくじいてしまったらしくて...」
そう言ってまた足を抑える。
(...何をしているんだ。)
今走ってきただけで足を挫くとは思えないし、どう考えても演技だ。それも、下手すぎる。
(何の茶番だ)
今はとにかく華のところに行ってやらないと、きっと今頃寂しがっているだろう。
さっさとこの場を終わらせたい俺は適当な言葉を選んだ。
「そうですか、医者を呼びましょうか?」
「いえ、安静にしていたら直ると思うんです。」
「部屋まで送っていってほしいのです」
香夜姫が上目遣いで見つめてくる。
他の人から見たら美しいんだろう。
だが、俺の気持ちは華にしかない。
だが、この場をさっさと終わらせてしまいたかった俺はそれは承諾してしまった。