第49章 スタートライン!❥伊達政宗
なんだかふわふわした、いい気持ちになって政宗のそばにそっと近寄る。
「じゃあ、私今回の件は断るね。私も政宗と一緒にいたい。」
やっと自分の気持ちが固まって、それでいて政宗の本音が聞けたことに嬉しくなってそう笑顔で言う。
そして政宗の手から反物を取ろうとすると...
「!?」
取ろうとした反物がひょいっと上に持ち上げられた。
「えっ!」
奪い返そうとしてもその身長に負けて全く手が届かない。
「ちょっと政宗、かえし....!!」
「...俺は、お前に諦めろとは言ってないだろ?」
「....??」
上から降ってきた声。
それにどういうことかと頭を巡らせる。
でもそれが瞬時になんのことかわかってまた私はハテナを頭に浮かべた。
「え、でも、政宗は私に一緒にいてほしいって...」
「あぁ、俺は確かにそう言った、でもな。」
政宗はそこで言葉を区切って、私の唇にそっと人差し指の先を当てた。
「俺はお前に諦めろとは言ってない。」
「....えっ、?」
その言葉の本質が政宗の瞳から読み取れない。
(でも政宗は私がそばにいてほしいんじゃないの、?)
政宗の言葉に矛盾が生じて思わずぽかんとしてしまう。
そんな私を見て政宗はからっと笑った。
「俺の言うことの意味がわかんないって顔してんな?」
「そっ、そりゃそうだよっ...」
結局政宗は何を言いたいのかさらにわからなくなる。
すると政宗はゆっくりと口を開いた。
「....もちろん俺は、お前にずっとずっとそばにいてほしい。お前は俺のそばにいるといつもふにゃふにゃ笑顔だからな。」
「っふにゃふにゃなんてしてないよっ...」
また直球の言葉に恥ずかしくなって思わず下を向きそうになる。
でもそのすんでで政宗が私の顔を掴んであげた。
「...だからこそ、なんだよ。」
「え、」
「...俺はお前の笑ってる顔が好きだって、さっき言っただろ?」
「う、うん」
「もちろん俺は俺のそばにいるときのお前の顔も好きだが...仕事をしてるときのお前の顔も、同じくらい好きだ。」