第49章 スタートライン!❥伊達政宗
....ということがあって今に至る。
のだが.....
(うう....この反物で何か作ってみたい..でもそれをしちゃうともう何だか引き返せないような気もするし....)
そんな迷いがまだ私の頭の中を占めていて、ずっと目の前の反物を見つめていた。
その時。
「おーい華入るぞー」
(!!政宗!?)
「あ、う、うん!」
(こんな時間に珍しいな)
そんなふうに思いながら襖を開けようとする政宗に私は咄嗟に後ろに反物を隠して慌てて入ってくる政宗を迎えた。
「ど、どうしたのこんな時間に!」
時刻はもう夜遅い。
いつもならもう寝静まっている時間なのに....
そう思っていると、
政宗はぐっと眉にしわを寄せてぐいっと私と政宗にあった距離を詰めた。
「!?」
いきなりのことに驚くと....
にやっと笑った政宗が口を開いた。
「お前に夜這いをしにきたんだよ」
「!?!?」
(よ、よ夜這い!?)
その単語が意味することを咄嗟に頭の中で思い浮かべてしまって自分でも顔が熱くなるのがわかる。
そんな私を見てまた政宗は大きく笑った。
「やっぱりお前の反応イイな!もっと、苛めたくなる。」
「え、」
言葉の後ろで急にトーンが下がって私の顎をくいっと持ち上げる政宗。
「そうだな....どこから食べたらいいんだ?鼻か?やっぱ王道に口からか....」
「な、なななんの話してるの!?」
あわてた私が状況を理解してようやく政宗の胸をどんどんと叩くとまた政宗は笑った。
(んもー....すぐ人をからかう....)
そう思ってじとっと政宗を見つめると、政宗は今度こそ真面目な顔になった。
「ってのは置いといてだな....単刀直入に言うが、お前なんか悩んでることあるだろ?」
「え、」
ずばっと言い当てられて思わず体が固まる。
するとそんな私を見逃さないように政宗が目を光らせた。
「やっぱりな。」
そう一言だけ呟いた政宗はそっと私の頬を片手で包み込んだ。
「お前が何考えてるのかなんて、すぐにわかる。しかも、隠し事ができないのは俺が一番知ってるからな。」
「う....」
柔らかい声で諭されて思わず下を向く。
すると....