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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第49章 スタートライン!❥伊達政宗



「あの....着物は、ここで作るんじゃないんですか...?」

すると困ったように眉を寄せる関原さん。

「ここでじゃなくて、大阪でやってもらわないと納品の都合も着てもらう対象の方の寸法もありますし....」


「えっ....そうなんですか....?」


(ここ、安土城だよね...?)

確か安土は滋賀あたりだった気がするが、きっと今の交通手段ではかなりの時間を要すると思われた。

(でも確かにその人にあった着物を作らないといけないし.....、でも、大阪で....?)

すると不意に嫌な予感が走って目をぱちくりさせている関原さんに問う。


「あの....もし私が大阪に行ったとして、滞在期間はどれくらいでしょうか...?」


するとぐーっと頭を悩ませる関原さん。そして少しの間があいてゆっくり口を開いた。


「そうですね....最低でも一ヶ月。後片付けなどで遅くなる場合だと二ヶ月くらいかと思います。」


(え、い、一ヶ月....!?)


思わず目を見開く。

(低く見積って一ヶ月ということは....)


一ヶ月間、安土城にいるみんなには会えない。ということだ。


もちろん政宗にも。




そう思うと胸の奥がちくりと痛んだ。


(...政宗と会えないのは、嫌だな。)


もちろん他の武将や針子の仲間たちにも会えないのもすごく嫌だけど。

これまでの私の心の支えとなっていた政宗と離れることは私にとっては耐え難かった。


(っ、でも....)



こんな大きな出来事に私まで参加できるなんて、すごくすごく名誉なことだ。

このチャンスは、逃したくない。


(でも、でも.....)





安土城から出たくない。でもお誘いにのってみたい。

その瀬戸際でぐるぐると考え込んでいると....



「...迷っているようでしたら、とりあえずこの反物を差し上げましょう。」


「え...」


ふいに関原さんが声を上げた。

「その布の切れ端を使ってもいいので、何か作ってみたらどうでしょう?それでその布の使い心地を試していただいて、大会に参加するかを決める、というのは?」


「ぜひ!そうさせて欲しいです....!!」


「はは、正直で良いですね。では....時間もないので、三日後のこの時間に、またお願いします。」


「はい!」









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