第49章 スタートライン!❥伊達政宗
「ごっ、ごめんなさい!!私お話の途中だったのにしっかり遮ってしまって.....」
「いえいえ!頭を上げてください。私は全然気にしていませんよ。」
その優しい言葉にゆっくりと顔を上げるとなおも変わらない優しい笑顔が見えた。
そして関原さんはごほん、と話題を変えるようにひとて咳払いをすると真面目な顔で私と向き合った。
「...それで、なのですが。今度私はその展覧会に出向くことになっています。そしてその展覧会に出す着物を....あなたに作ってもらいたいのです。」
「...えっ!!?」
真面目な顔で話された内容に頭がついていかない。
「えっ、わっ、私がですが!?」
「はい、ぜひともお願いしたいです。」
「え、で、でも私は針子歴も凄く浅いですし....」
「そんなものは気にしていません。私は腕だけを見て選びますから。」
「っ、で、でも....」
そんな大きな仕事を受けることになるかもしれないという事実にさらに否定の言葉を紡ごうとすると....
「聞いてください華さん。私は、貴方に。お願いしたいのです。他の誰にでもない、貴方にしか出せない針の使い方があるのです。」
「えっ....」
「ですからどうか考えてくださらないでしょうか。ここに反物もしっかりと持ってきました。」
そうやって関原さんが取り出したのは、淡いピンクと蒼色の織りなす綺麗なグラデーションの反物だった。
「わぁ、綺麗...!!」
思わずそう声が出ると、関原さんは逃がさんとばかりに私にその反物を握らせてきた。
「どうかどうか、これで着物を作ってください!!」
そう言って大きく頭を下げる関原さんに私は少し考えた末に声を出した。
「分かりました!その仕事、お受けさせてください!」
すると頭を上げてにこっと笑う関原さん。
「本当ですか....!!!ありがとうございます!ては早速大阪へ.....」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってください!」
私がそう言うやいなや私の手を取って歩きだそうとする関原さんを必死で止める。
「?どうかしたんですか?」と振り向いた関原さんに私は疑問を投げかけた。