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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第48章 縮まらない温度。❥真田幸村




(約束を守ろうと、したんです。)


(でも、どうしても、近づけなかった。)



雪さんが、いたから。


複雑な思いを抱えて私は幸村さんの手をそっと握って立ち上がる。

すると幸村さんははっきりと単刀直入に聞いた。



「で。お前なんで今日来なかったんだ?その様子だと、どこかに行くつもりではあったんだろ?」



「....っ、私、は....」




このまま、素直に打ち明けたら、幸村さんはどんな反応をするだろうか。

きっとそのほうが、楽になれる道って分かってた。


幸村さんは雪さんとの話をして。


それを私が受け入れて。


そうできたらどれだけ辛くなくなるんだろうか。

そしてそうすれば、簡単に幸村さんを諦められるんだろう。

でも私には、出来ない。


それを受け入れる勇気も、気力もない。


そして....幸村さんを諦めることも、できそうに、ない。




そう感じた私は、必死に笑みを浮かべた。


「何でもないです!今日はどうしても用事があって....それを幸村さんに伝えようとしてたところです!」


空元気になってないだろうか。


私はちゃんと、笑えてる?



私が言い終わっても何も言わない幸村さんはじっと私を見つめる。

その瞳から、私の感情ごと取られそうで....


怖かった。




「っ、じゃあ私はこれで!失礼します!」



その間に絶えられなくなった私が踵を返そうとすると....





がしっ





「!?」



右腕を、掴まれた。


慌てて後ろを見ると、さっきから何も変わっていない表情の幸村さんが、ただただ私を見つめていた。



「っ...何でしょうか、」



その瞳に弱い私は視線をそらしていかにも平然を装って聞く。

すると、




「!?!?」




今度は、顔を掴まれた。


驚いて退けようとするも、右腕も掴まれていて、身動きが取れない。

何事かと諦めて幸村さんを見ると....





「お前...何を隠してるんだよ」





「!」



思わず、体が固まった。

するとそれを逃さないと言わんばかりに幸村さんが口を開く。



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