第47章 愛してください2❥徳川家康
そして、俺の言った言葉に覚悟を決めたのか、ひとつ深呼吸をすると、ぽつりぽつりと高月は話し始めた。
「今日の、補習に私も行ってたんですけど....」
(うん知ってる。)
「途中で質問してた女の子と話してたときにっ...先生の顔が赤くなってるのが見えてっ...」
(....あぁ。なるほど。)
「先生はあんな子がタイプなのかなって思って...」
言いながらも更に涙が溢れそうになってきている高月に、無理やり押し込めていた思いが動き出す。
(そんなわけ、ないでしょ。俺が好きなのは....っ)
(あんただから。)
「っ、違う。」
それ以上高月に変な誤解をさせたくなくて俺は言葉を遮って否定の言葉を紡いだ。
「!」
いきなり口を挟んだ俺に驚いたのか高月も驚いて俺を見つめる。
それを合図に俺はこれまでためていた想いを吐き出すように伝えた。
「俺はあんたのことがっ...どうしょうもないほど好きだし、」
そう言うと、高月の瞳がこれまでにないほど見開かれる。
(そりゃそうか。教師がこんな感情生徒に抱くなんて...間違ってる。)
でも。それでも。
口から吐き出した想いは止まることを知らなかった。
「あんたが学校に入学して、俺があんたの担任してたときからずっと好きだった...っあんたは気持ち悪いって思うかもしれないし、別に受け取ってもらおうとも思わない。だからせめて....」
(...俺のことを振って。)
そうすればきれいに諦められるから。
そう、言おうとすると。
「....っ、先生。」
今度は高月が俺の言葉をふさいだ。
何事かと思い俺も口を止める。
すると高月は俺の瞳をまっすぐと見つめて、消え入りそうな、だけどしっかりとした声で言葉を紡いだ。
「私も、先生のこと、好きだよ。」