第47章 愛してください2❥徳川家康
目の前の景色にもはや何も言えずに口を開ける。
目の前にいたのは....
補習用の教室、すべての席が埋まるほどの生徒の数だった。
「せんせー!!世界史ほんと分かんないから教えてよ!」
「ね、あたしの成績ほんと悪いからあたしから教えて!」
「抜け駆けやめてよ!!先生!私から!!」
「はぁ!?あんたこそ抜け駆けしてんじゃん!!」
「じゃあ間を取って俺が!!」
「「はあ!?!?」
(な、なんなのこれ....)
色んなところから色んな声が飛び交っている。
世界史の補習なんて絶対来ないと思っていた。
人気のある三成の補習でさえ15人も来なかったと言うから。
なのに今はどうだ。
溢れんばかりの生徒で教室が埋まっている。
唖然として生徒たちを見回していると...
(!!!高月!)
前から二番目の席でしっかりと俺を見つめてくる高月とばっちり目があった。
すると高月はにこっと柔らかい笑顔で笑う。
(っ....)
どうしたらそんな可愛くなれるのか聞きたいくらい可愛い高月を尻目に、俺は声を張り上げた。
「とりあえず補習始めるから!!今から配るプリント解いて!!分からない人は俺に聞きに来て!!」
そう言ってプリントを配ると、さっきとは打って変わって静かに真面目にプリントを解き出す生徒たち。
(へぇ、この子たちも真面目なとこあるんだ。)
そう思った矢先、ひとりの女子生徒が手を上げた。
「先生、!ここわかんない!」
「...どこ?」
そう言われてすたすたとその子に近寄って問題を覗き込む。
「あぁ、これは...」
その答えがすぐに導き出せた俺はその子の顔を見ようと横を見ると...
「っ....」
「!?」
顔が真っ赤になってこちらを見ているその生徒と目があった。
すると小さな声で呟く。
「せんせぃ、格好良すぎる....」
「は?」
今この瞬間に全く関係のない言葉が出てきて俺は顔をしかめる。
そんなこと言われるためにここに来たんじゃないんだけど。
そう思ったとき、ひとりの男子生徒が大きな声を上げた。