第47章 愛してください2❥徳川家康
(別に大勢来なくったっていいし...。しかもこれいつ作ったんだよ。)
まぁこれを見て高月が来てくれるにこしたことはないが。
こんなふうにされたら大勢の人が来てしまう。
それにこんなタペストリー作る時間があるなら勉強すればいいのに。
だが....
(...まぁ別にいいか。)
どうせ補習なんて嫌がる生徒がほとんどだし、来るとしてもせいぜい15人くらいだろう。
いやもっと少ないかもしれない。
そう軽く考えて俺はその意味不明のタペストリーを一睨みするだけで職員室へと足を向けた。
その影で、高月がこちらを見ていることに気づかないまま。
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放課後。
部活動の時間を終えて疲れきった生徒たちがぞろぞろと帰る用意をしているとき。
俺は補習とその教材を持って補習用の教室へと向かっていた。
(ほんと高校生って大変だよね...。まぁ俺もこんな時代があったんだけど。)
部活でへとへとになっている生徒たちを横目に見ながら教室へと急ぐ間に何人くらい来るか考えた。
(補習用の教室って確か30人くらい入るんだっけ...。)
まぁ入って15人。
入らなくて5人くらいだろうか。
いや世界史の範囲だからもしかしたら一人なんてこともあるかも。
そこまで考えたときひとりの生徒を思い出す。
(高月....来ないかな。)
期限切れの提出物を受け入れてしまうほど高月に甘い俺を高月は変に思ってたりしないだろうか。
(っ、考えるのはまた後にしよう。)
無意識に頬が赤くなるのがわかった。
とりあえず今は補習のことに集中しよう。
別に高月が来ても来なくても全力で世界史を分からせるのには変わりない。
そして教室の前についた俺ががらっとドアを開けると....
「「「「「「先生!!世界史教えてください!!!」」」」」」
「.....は?」