第47章 愛してください2❥徳川家康
補習なら分からない生徒だけが来ればいいし、普通の授業よりももっと丁寧に教えることができる。
(....よし、)
俺は今見ていた提出物の確認を終えると、職員室から少し離れている生徒用の掲示板に明日世界史の補習を開きます、と書き込んだ。
ついでに時間も適当に書き込む。
(まぁこれくらいなら部活も終わってるでしょ。)
部活終わってから補習だなんて鬼畜かもしれないが本当に世界史を理解したい人だけが来ればいいだけだ。
俺は書き込み終わった掲示板を横目に見ながらまた提出物の確認をするために職員室へと戻った。
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翌日。
俺がいつものように授業を終えて教室から出ようとすると、ひとりの男子生徒に呼び止められた。
「せんせー!今日補習開くってマジ!?」
「うん、今日の放課後。」
俺がそう答えると同時に、男子生徒はいきなり叫びだした。
「おい!お前ら!!今日徳川先生が放課後に補習開くってよ!!」
「は?」
いきなりすぎるその補習の宣伝に意味がわからず声がもれる。
(別に補習は来たい人だけこればいいし、そんな大人数集まらなくても....)
でも男子生徒がそう言ったとたん、教室内の空気がざわざわと動いた。
「えっ!、まじ!?」
「え、行きたいんだけど!!」
「いやあんた今日バイトじゃん!! 」
「ええでも行きたい〜!!」
するとこれまで溜めていたものを吐き出すように一斉に喋りだす女子生徒たち。
「え、でも徳川先生だよ!?学校内イケメンランキング堂々の1位の!!」
「うっわもうバイト無かったらほんとよかったのに!!サボろうかな!」
「いやあんたこの前もサボってたじゃん!」
ドアと教室内の会話ではかなり距離があるため何を言っているのかまでは聞き取れないが皆補習に興味を持ったんだろう。
それにしても。
「....何なのこれ。」
俺が教室を一歩出ると目の前にタペストリーのようなものが廊下の壁に貼られていた。
それには、『号外 徳川先生今日の放課後補習開く』
と、でかでかと書かれている。
「意味分かんないんだけど....」
俺はそのタペストリーに近寄ってそれを睨む。