第46章 愛してください❥織田信長
「それっ、て....」
少しだけ考えて目をまんまるにさせて織田先生を凝視する。
(それって。織田先生が、私を.....)
いや、自惚れてはいけないと自分を叱咤してもっと深く織田先生を見つめる。
だけど織田先生の顔は変わらなくて...
それにどんどんどんどん顔の熱が上がっていくのが分かった。
すると織田先生はもっとさらに私をぎゅっと抱きしめた。
「ようやく理解したようだな。」
「え、でも、織田先生は....」
付き合ったんじゃないの?
疑問が残りその先の言葉が言えずにぎゅっと唇を噛むと。
「....だから、貴様は勘違いしていると言っただろう。」
「...え、?」
「俺は告白なんぞされてもいないし付き合ってもいない。」
「え、!?で、でも、付き合ってくださいって....」
しっかり美術準備室の中から聞こえましたけど!?
「あれは部活の練習の話だ。あいつはプライドが高いから皆の前で言うのが恥ずかしかったのだろう。」
「えっ....」
じゃあデートの予定かと思ってたのは...練習の予定だったってこと...?
「っ!!」
(全部私の勘違い!?)
その事実にようやく気づいて顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。
(わ、私の勘違いで秀吉さんにも迷惑をかけてしまったってこと...?)
今度は顔がさーーっと青くなっていくのが分かる。
秀吉さんは真っ直ぐな性格だけに嘘や冗談は好まない。
もちろんそれが私の勘違いだとしたら、よっぽどだ。
(秀吉さんにあとでなんて謝ろう....っ、怒られるかな、)
織田先生の腕の中でそう必死に秀吉さんへの弁解を考えていると。
「....貴様。今誰のことを考えている。」
「え」
「今目の前にいるのは秀吉じゃない。」
「っあ、」
織田先生のことを完全に忘れてぱっと前を向く。
すると少しだけ顔が赤くなった織田先生が私のことを見つめていた。
「貴様は、俺のことをどう思ってる。」
「....っ」
そんな顔、反則だ。かっこよすぎる。
言わないと駄目。そんな空気に呑み込まれて、私は口を開いた。
「....すき、です」
ありったけの愛を込めて。