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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第45章 トドカナイオモイ『後編』❥豊臣秀吉




秀吉さんと私の間に気まずい空気が流れる。


(....っ、秀吉さん、どうして華ちゃんにこの事言わなかったのっ...)


誤解を招くと分かっているのに、どうしてきちんと伝えなかったのか。

その事にぐるぐると頭を悩ましていると...



隣の秀吉さんが不意に私を見つめた。


何も言おうとしないその視線に疑問を浮かべるも....



「華、ごめん。俺行かないと駄目だ。」



「っえ...?」



「この場は俺の家臣に任せる。お前ももう任務終了だ。」



「え、な、何言って....」



その言葉を秀吉さんが言った直後、秀吉さんは近くにいた家臣にこそこそと何かを告げる。と思うと、秀吉さんはすくっと立ち上がった。

秀吉さんがいきなり立ち上がったことに驚いた周りの人たちは一斉に視線を向ける。


その人たちに秀吉さんは深く一礼すると...




「!!」




飛ぶような速さでこの会場から出ていった。


「え....」


その場に一人取り残された私はただただ固まる。


それと同時に周りの人たちもざわざわと騒ぎ出した。

その中にはあの大名もいて。

驚いたように視線をこちらに向けていた。



「っあ....」



何をどうしたらいいのか分からずに隣りに居た家臣をちらりと見ると....

その人はひとつ頷いて私の前に立った。


「皆様、これ以下はお開き、という形を取らせていただきます。この度は遠方から足を運んでくださった方もいると聞いております。誠にありがとうございました。」


そういって頭を下げた。


私も慌ててそれに習い頭を下げる。




しかし、その会場の中には、ざわざわとした声が鳴り止まなかった___。



















_________________________



(はぁ....疲れた。)


私はとぼとぼと自室への道を歩んでいた。

秀吉さんが急にいなくなってから。

なんで急にいなくなったんだ!と言いだす人たちを丸め込めて。

大名の人にも質問攻めにされた。


だけど必要なことしか答えなかったから、秀吉さんには影響はしていないと思う。


それから会場の片付けをして、服を着替えて化粧を取って....


そりゃもうバタバタで、本当に疲れてしまった。






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