第5章 方程式のつくりかた❥明智光秀
そんな時がずっと続くと。わたしはそう信じていた。
(んーーーっ、疲れたなぁ)
私は昨日からずっと溜まっていた針子の仕事を今日でようやく終わらせた。そのなかには光秀さんの為に作った羽織もあったのだ。
一年記念日として何か特別なものを贈りたいと思い、必死で仕上げたものだ。
ふぁ〜、と、大きなあくびが出た。
(あれ、光秀さん、帰ってくるの遅いな)
明日はわたしと光秀さんの1年記念日だ。
その事をまだ光秀さんに言ってないなぁと思い、帰ってきたら言おうと考えていたのだが...
(もう11時ぐらいだよね?)
こちらの暦はまだ完全には覚えていないが、夜の更け方からしてきっともう11時は超えているだろう。
(遅いなぁ)
今日は疲れたのもあって、光秀さんの横で眠りたいという願望もあったのだが、仕方ない。
(先に寝ようかな...)
光秀さんを待ちたいのもやまやまだが、明日は1年記念日だ。
しっかり用意して光秀さんを驚かしたい。
そう考えている内に、私の意識は深く沈んでいった。