第5章 方程式のつくりかた❥明智光秀
(光秀さんは、照れたりすることとか、あるのかな。)
ふと疑問に思った。
そういえば、光秀さんの照れるとか恥ずかしがるとかそういう感情を出しているところを見た事がない。
そんな光秀さんを見てみたいなーと思ったわたしは
光秀さんと同じように光秀さんの耳に近づき、
「私も、光秀さんの事、好きです。」
そう囁いた。
すると...
「っ、」
(え。)
光秀さんの顔が淡く赤に染まっていったのだ。
(嘘、こんなすぐ見れるなんて...)
そう感激して光秀さんを見つめていると..!
「ばか、見つめるな。」
そう言って私の顔を胸板に押し当てた。
光秀さんの心臓はどくんどくんと大きな脈を打っている。
(光秀さんも、同じ気持ちなんだぁ。)
それが分かって私は光秀さんの胸の中で笑いを洩らしてしまった。
「おい、なんで笑ってるんだ」
いつの間にかもとの表情に戻っていた光秀さんは私の顔を覗き込んで言った。
「っ、なんでもありません」
私がそう答えると...
「へーえ。俺にそんな態度をしていいと思っているのか?」
光秀さんがそう言うといきなり私の身体をくすぐってきた。
「やめてくださいっ...」
半ば笑いながらそう言った私に光秀さんがにやりと笑いかけた。
そんな、幸せな朝だった。