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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第44章 トドカナイオモイ『前編』❥豊臣秀吉





(え...?秀吉さんと恋仲に...?)


色んなことが頭の中から抜け落ちて、その事だけに頭が占領される。

しかも言われたのは二人きりの華...もとい、秀吉さんの恋仲の方の、華ちゃんの部屋。

まだ他の子がいれば一緒に嬉しそうにお祝いできたのに...



そう思いながら少しだけ沈黙が流れて。

私は我に返ったように貼り付けた笑みを浮かべた。


『そっか!おめでとう!秀吉さんもきっと嬉しいよ!』


『えへ、そうかな、ありがとう』


そんなふうに笑う彼女が可愛くて。

すごく、惨めな気持ちになった。



『じゃあ私はこれで!うん!じゃあね!』


『え、華ちゃん...?』




そこに耐えられなくなってしまった私はそこで立ち上がって部屋を出てしまった。




あれから、華ちゃんとは少し気まずくなってしまった。

もちろん、今となっては普通に接しているけれど。

最初の方は気まずくて何も話す事ができなかった。




でも、今も話せていないのは。


秀吉さんの方。






そういう話を聞いてから私は秀吉さんと顔を合わすことができなくなってしまっていた。

それでも、もともと私のことをずっと気にかけてくれていた秀吉さんのこと。

何回も私に話しかけてくれようとしていた。


でも。



私が一方的に避けてしまっていた。



そう。今日だって。



『おい、華、今日は針子の用事はないのか?』


『っ、うん、今日は無いんだ。それじゃ。』


『え、お、おい....』




そんなふうに冷たくあしらってしまっていたのだ。


(っ、馬鹿だなぁ、私。)




こうして秀吉さんに冷たくあたったところで、何も変わらないのに。


そこで私はこう思い込ませる。


(秀吉さんが好きなのは私じゃない。秀吉さんが好きなのは私じゃない方の華なんだ。)





そう思い込ませて、これまで過ごしてきたけど。


もうそろそろ限界だった。

でも、そんなときに起こったのが、



ある、一つの事件だった。



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