第43章 愛が溢れる境界線❥伊達政宗
また目に涙を浮かべながら話す華にぐっと心が締め付けられる。
「っ、ごめん、ごめんな....」
そして俺はそのまま強く華を抱きしめた。
「っうぅ...」
腕の中の華は安心したのかぐっと俺の胸に顔を埋める。
そして温かい少しだけ雫が着物に染みたのが分かった。
(俺は...お前のことが、好きで、好きで、堪らないんだ。)
「俺の気持ちも...聞いてくれるか。」
華がひととおり泣きやんだところで少し声をかける。
華が胸の内を晒したのだ。俺も晒さなければ。
すると華はこくりと小さく頷いた。
それを合図に俺も少しずつ少しずつ話し始める。
「俺は....お前のことを手放すのが嫌だった。」
まず最初に自分の素直な言葉を伝える。
「俺はな、お前が知らないくらい、お前のことを愛してるんだ。」
「っ...」
そう言うと華が小さく身じろぎした。
それに構わず口を開く。
「だから...何処かで、お前の気持ちを試そうとしていたのかもれない。お前が...どこにも行かないとわかっているのに。お前のことを、信じられなかった。....それは謝る。ごめんな。」
「っ、政宗、それはっ...」
華が何かを言おうとしているのを咄嗟に人差し指を華の唇に押し当てて抑えた。
そしてそのまま続ける。
「だが...俺は絶対にお前を離さない。何があっても俺はお前だけを信じる。....それくらい、お前に惚れてるんだよ。」
「....!!」
華の目が見開かれたのと、俺が唇を華に近づけたのは、同じくらいだった。
ちゅっと、音を立てて華の唇を奪う。
久しぶりに感じた甘い華の匂いに....全てがおかしくなりそうだった。
(....これは、まずいな。)
政宗は内心口づけをしたことを後悔し始めていた。