第43章 愛が溢れる境界線❥伊達政宗
「だがな。これだけは信じられる。それはな。俺は華を愛してるし、その気持ちが生涯変わらないことだ。それだけは何があっても信じられるんだよ!」
「....」
その言葉を聞いた光秀は少しの間黙っていたが....次に顔を上げると、今度は笑みを浮かべていた。
ただし、先程の意地悪そうな笑みではなく....誰かをいたわるような笑み。
その笑みに何かと俺が首を傾げると...
「...だ、そうだぞ。華。」
「!?」
急に光秀の口から放たれた華という言葉。
それを光秀が言ったかと思うと光秀がいたところの後ろの部屋の襖がすーっと開いた。
そしてその中から出てきたのは....
「... 華?」
目に涙をためてこちらを見つめている華の姿。
「な、んで...」
そんな言葉しか出てこずに華を凝視していると。
「ごめん!!政宗!!!」
「!」
いきなり華が頭を下げた。
「私、政宗に嫌われたかと思ってっ...何かしたのかと思って....っ、ごめんっ....」
「お、おいとりあえず落ち着け。」
断片的にしか言わない華の体をぐっと掴んで泣きやませるために抱きしめる。
そして、何事かと光秀のいた方向に目を向けるが...
光秀の姿はもう無かった。
(っくそ、あいつ....)
そうは思うもののようやく会えた華にもう一度目を向ける。
そしてぽんぽんと背を撫でて声を発した。
「落ち着いて、少しずつ話せるか?」
するとこくりと頷いて話しだした華。
その内容をゆっくり聞く。
「政宗が最近そっけない態度を取るようになってきたな、って思ったときからずっと....飽きられたのかと、心配になってたのっ...」
「毎日毎日どれだけ政宗の世話をしようとしても...政宗は何もそこに触れないから...政宗に嫌われるくらいなら、もう出ていこうと思ってっ....」
「っ、華...」