第42章 甘い想いのジレンマ❥明智光秀
「単刀直入に言うが....
俺は、お前のことが好きみたいだ。」
「!!」
遠回りもせず、真っ直ぐに伝えた言葉。
それは、華に届いたのか、華は目をこれでもかと開いて俺を食い入るように見つめている。
その熱心な瞳を俺も十分に受け取って更に口を開いた。
「最初は、確かにお前を小娘としか思っていなかったんだがな....」
(いつしか、変わっていった。)
「お前のその素直な心に、だんだんと惹かれていった。」
(すぐ赤くなる頬も、すぐ潤む瞳にも。)
「そしてその想いは....もう俺の手の施しようがないほどまで膨れ上がっていた。」
(もう、自制がきかないほどまで。)
そこまで言って少し息を整える。
そして未だに目を丸くしている華の手をそっと取って、ひとつ、言葉を発した。
「俺の想いを、受け取ってくれないか----------?」
俺の大きく膨らんだ想いを受け止める事ができるのは。
世界で一人だけ。
華。だけなのだから。
「っ!」
俺がそう言うと、すぐに赤くなったその頬。
そのあとに、ひとつ、俺と同じように呼吸を整えた華がそっと俺の手を握り返した。
「.....私も、光秀さんとおなじ気持ちです。」
「っ!!」
その言葉は、これまで聞いたどの言葉よりも俺の胸を騒がせた。
だが、その胸の騒がしさは、これまで感じたどの感情よりも心地よく、俺の心を満たしてくれるものだった。
もう一度、少し震えた声で華に問う。
「....本当か?」
「...はい。私は光秀さんが、好きです。」
今度ははっきりと返ってきた返事。
そして、華の瞳の中をぐっと覗いてみると....
まるで、太陽のようにきらきらと輝いていて。
そこでようやく俺は華に受け入れられたのだと感じて。
これから、華を死ぬほど幸せにしてやると言う意味を込めて、華に囁いた。