第4章 夢のなかだけじゃ物足りない❥豊臣秀吉
「秀吉さんは、私がいると、邪魔、かな?」
本人は意識してないんだろうが、上目遣いで聞いてくる華に秀吉も断るに断れなくなった。
「分かった...一晩だけだぞ?」
「うん、!ありがとう!!!」
それで今、この状態に至る。というわけだ。
もう秀吉は香り袋なんてどうでも良くなっていた。
華を抱きしめられているだけで充分だ。
思わぬところで願いが叶った秀吉だったが、この機会に華に思いを伝えてしまおうと、そう思い立った。
きっとこの機会以外に華に思いを伝える時はもう無いだろう。
ならば、もう今伝えてしまったほうが良いのではないか。
「華...起きてるか?」
「起きてるよ...?」
どうしたの?という顔で華が顔を上げる。
「俺はな...お前に大事な話があるんだ。聞いてくれるか?」
「うん、どうしたの?」
「俺は...」
そう言いかけて秀吉は少し思い留まった。
もし、これで失敗したら...
もし、拒絶されたら...
もし、他に好きな男がいると言われたら...
俺は生きていけるだろうか。