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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第39章 SWEET TALKER ❥豊臣秀吉




それにそもそも秀吉さんが入ってきたことに今更ながら驚いた。


(秀吉さん...なんで入ってきてくれたんだろう。)


ただ、私が危ないと思ったからだろうか。

いやでも本当に興味がなかったら止めになんてこないはず...



そう思っていると、


「だからってな!許容範囲っていうものがあるだろう!」

「何だ、これはお前にとって許容範囲ではなかったか。」


(あ、この喧嘩まず止めないと駄目だったんだ...!!)



秀吉さんは光秀さんの胸ぐらこそ離しているものの、今にも飛びかかりそうだ。


「あ、あの二人とも止まって...」


「華は黙ってろ、俺が何とかしてやるからな。」

「えっ!?」

(いや何とかもかんとかもないんだけどっ...)


「あぁそうだ。俺もこんなみっともない喧嘩は止めたい。」

そこまで思ったとき、光秀さんがやれやれと言ったように肩を回した。


(え、今誰に賛同したの...?)

私が目をぱちくりさせて光秀さんをみつめると、光秀さんが私を見てにやりと笑った。

そこで私はようやく悟る。


(光秀さんに読まれたんだ...!)

するとまた恥ずかしさがぶり返した。

そこまで感情がダダ漏れなこと。

(秀吉さんにバレたら恥ずかしい....!)


「...そうだな。お前とここでやりあっても何の意味もない。」

そこまで言ってようやく熱が冷めたのか秀吉さんが光秀さんから目を背けて私を見つめた。


(っ....)

その真っ直ぐな瞳にやられそうになる。

(そうだよ...私はこの瞳に弱い。)


「お前...ちょっとこっち来い。」


「え、」


秀吉さんがそう言うと同時にぐいっと引っ張られた。


「少し涼みに行くぞ。」

「え、でも、私はまだ全然飲んでな...」

「行くと言ったら行くんだ。」


私の言葉を遮って手を引っ張る秀吉さん。

「...分かった」

それは嬉しいことのため、黙って引っ張られることにした。



襖を出る前に少しだけ後ろを振り返ると...



光秀さんが優しい目でこちらを見つめていた。


(!まさか光秀さん、わざと...?)





そう思うものの、その目線は閉められた襖によって遮られてしまった。



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