第38章 大好きな君のトリセツ❥真田幸村
「っ、お前ってなんでそんな可愛いんだよ...」
幸村が私の頭上で何かうにゃうにゃと言っているがその一言一句までは聞こえない。
「あの、幸村...?」
私がそっと声を上げると。幸村は恨めしそうに私を見た。
「お前ってなんで...そんな可愛いことしかしないんだ?」
今度ははっきりと聞こえる声でいう。
「っ、べつに可愛くなんかないよ」
それに今度は私が照れる番だった。
「いや、お前のその可愛いことしかしないの何でかほんとに気になる。」
「っ、だから可愛くなんかないって...っ」
いつも褒められ慣れていないせいかどんどん顔が赤くなっていくのを感じる。
「じゃあ何で俺の取扱説明書なんて作ろうとしたんだよ」
幸村が聞く。
「喧嘩をしたくなかった....のもあるけど。」
もっともっと本当は望んでいたこと。
それは...
「幸村のことを一番知っているのは...私でありたいなって思ったの。」
「!」
幸村が不意をつかれたように驚く。
(どうして驚くの?)
これは私がいつも思っていることだよ。
「幸村のことを一番知っているのは私で...私のことを一番知っているのも幸村であってほしいなって思うの。」
「お、まえ...」
幸村の少したじろいだ声が上から聞こえた。
それと同時に顔を上に持ち上げられる。
「....俺も。」
ふいに幸村が声を上げる。
「え?」
「俺も、お前のことを一番知りたいし、俺のことを一番知ってるのはお前でいて欲しい。」
「幸村....」
幸村が全く同じ思いを返してくれることにもう何度緩んだか分からない頬がまた緩んだ。
「...ありがと」
私がそっと笑うと。
「あぁ、」
幸村もそっと私に笑みを返した。
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たとえ、何年、何十年経ったとしても。
私はあなたのことが大好きで、
あなたも私のことが大好きで。
そして、お互いのことを一番お互いが理解している。
そんな関係になれたらいいな
と、心の底から願います。
大好きな貴方のために。