第38章 大好きな君のトリセツ❥真田幸村
早速その次の日から、私は幸村の取扱説明書を作ることにした。
(んー、冊子みたいにしようかな...)
とりあえずの方針を立てて作り始める。
そして紙を取り出して早速書き始めた。
(まずは幸村の全身像を描いて...)
そこに目や鼻のパーツにぐいっと線を引いて特徴を書いていく。
(こんな感じだよね、目は...綺麗な栗色で...鼻は筋が通ってて...唇も厚くもなく薄くもなく丁度いいし...)
そういうふうに書き込んでいく。
するとなんだかじわじわと恥ずかしくなってきた。
(待って...改めて幸村ってめちゃくちゃ格好いい...)
こうしてきちんと書き込んでみると現代でいうイケメンすぎる顔立ちをしていた。
(こんな人と私恋仲なんだ...っ)
そう思ったらさらに恥ずかしくなってくる。
(うぅ...どうしよう、ほんとに恥ずかしくなってきた)
そう思って膝を抱えていると...
「おーい、華?」
「!」
襖の奥から幸村の声が聞こえた。
(待って、今絶対私顔真っ赤だから...!)
「おい、入るぞー?」
「ちょ、ちょっとまって!」
私は慌てて幸村にそう言うも幸村はお構い無く入ってこようとする。
「?いいだろ別に入るからなー」
(なんでっ...!)
それに私は咄嗟に取扱説明書を隠して正座をした。
がらっ
幸村が襖を開けて部屋に入ってくる。
「っ、待ってって言ったでしょ!?」
そこで私は開口一番こんな言葉がでてしまう。
(あ、まずい。)
そう思ったときにはもう幸村は形のいい眉を寄せて不機嫌そうな声を出した。
「何だよ、別に良いだろ。」
また喧嘩をしたくなかった私は少しだけオブラートに包む。
「だって一応私女の子なんだよ?」
「お前が女ってのは知ってる。でも....ほら、あれだよ、俺達は...」
(?)
なんだか煮え切らない幸村に首を傾げると...
「ほら...恋仲、だろ」
「..!」
顔を赤に染めて言う幸村。
こんな大胆に恋仲という言葉を出す幸村は珍しい。
「「....」」
黙る時間と比例して二人して顔が赤くなっていく。
(っ、嬉しいけど、嬉しいけど...!)