第4章 夢のなかだけじゃ物足りない❥豊臣秀吉
(なんでこんなことになってるんだ...)
いま、秀吉は褥に入っている。
華を抱きしめて。
腕の中の華は顔を赤くしながらも秀吉の胸板に顔を埋めている。
____何故、こういう事になったのか。
それは、半刻ほど前のことだった。
秀吉は香り袋を失くしてしまったため、無理矢理眠りにつこうとしたが、結局眠れなかった。
そして部屋に落ちていないか探していたところに、華が来たのだった。
「秀吉さん〜起きてる〜?」
襖の外から華の声が聞こえた。
(え、華?)
こんな遅い時間にどうしたのだろうか。
「ああ、起きてるよ。」
そう言うと華は部屋の中に入ってきた。
「秀吉さんが廊下に香り袋を落としてたから...」
そう言って華は秀吉に香り袋を差し出す。
(そのためだけにわざわざ俺の部屋まで来てくれたのか?)
華の優しさをひしひしと感じたが...
「こんな遅い時間に女の子が出歩いたら駄目だろ。」
一応釘をさしとかないと、城であっても華に何をするやつがいるか分からない。
「っ、ごめんなさ、」
そう華が言いかけたときだった。