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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第37章 五月雨と恋の天舞曲❥織田信長




(こんなふうに信長様とも出来たらなぁ...)


家康と帰路を急ぎながら考える。

信長様とこんなふうに他愛もない話をしながら帰る、なんてことが出来たらどれだけ幸せだろう。

それだけで寂しさもふっとぶのにな、なんて思う。


だけどそれは叶わないわけで。

(....信長様に会いたいなぁ)


会いたい気持ちだけが募る。

すると私の様子に異変を感じたのか家康が話しかけてきた。

「....何面白くない顔してるの?」

「え....」


(面白くない顔...?)


「私そんな真面目な顔してたかな」

私がそう言うと、家康は大きくため息をつく。

「はぁ、違う。そういうことじゃなくて...あんたが寂しそうな顔してるってこと。」


「っえ...」


家康に図星をつかれて進んでいた足が止まる。

それと同時に家康の足も止まった。


「私そんなに...寂しそうな顔してるの?」

「...少なくとも俺が見てる限りではめちゃくちゃ寂しいって顔してるけど。」


(私そんな顔してるんだ...)


信長様に会いたい、と思うとこうまでも顔に出てしまうものなのか。

(いや私が顔に出やすいっていうのもあるのかな...)


何にしても見破られたのだ。なんとか誤魔化す方法を考える。

「あー、えっと...最近針子の仕事が上手くいってないからこんな顔になっちゃったのかなー?」


だけどそんな付け足したような言い訳が家康に通用するわけがなかった。


「....仕事が上手くいかないから寂しいの?落ち込むとかじゃなくて?」

家康はすべてを見抜いているかのような視線で私を見た。


「っ、」


またもやばしっと図星をつかれる。

それにさすがに私も言い訳ができずに俯いた。

すると...



「話くらいなら...聞く。」




「...え、」

ふいに家康が声を出す。


「だから、話くらいなら聞いてあげるって言ってるの。あんたがそんなに寂しそうな顔をしてる理由、教えてよ。」


「っ、家康...」


家康の優しさが今はすごく染みる。


(家康になら....話してもいいかも。)


信長様ともかなり長い付き合いだし、何かアドバイスをくれるかも....と、私は家康に話を聞いてもらうことにした。


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