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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第35章 SAY YOU LOVE ME 『後編』❥伊達政宗




「...そっかぁ...」


私が吐き出すようにして話し終えたあと。

きいちゃんはひとつ声を洩らした。


「...でもね、あたしは華の想いを伊達くんに伝えるべきだと思う。あたしだったら伝えてるもん。」

迷いを見せないきいちゃん。

それに少し反論してみる。


「っでも...拒まれたりしたら、とか考えないの?」

「もちろんそれも考えるけど...拒まれるからやめるって言うほどの簡単な想いだったの?」


「...!」

それに何か心を動かされる。

きいちゃんがまっすぐに私を見つめた。

「それだったら別に告白なんてしなくても良いと思うけど... 華の話を聞いてるとそんな軽い思いじゃないっぽいしね。だったら、伝えるべきじゃない?」


「っ、きいちゃん....」


きいちゃんの話とともに、政宗との思い出が走馬灯のように流れた。





『政宗!今日も来たよ!』

『おう!今日も見とけよ!すごいシュートするからな!』


いつもの自慢げな姿。



『ま、政宗、大丈夫っ...?』

『あぁ、お前の方が痛そうな顔してどうすんだよ』

『っ、だってっ...』

『俺は大丈夫だから、ほら笑え。』


政宗が怪我をしたときに見せる姿。




『政宗、何してるの?』

『あぁ、後輩へのメッセージだよ、あいつらの悩みを解決するのも先輩の役目だろ?』

『....そっか。』



不意に見せる、かっこいい姿さえも。



ぜんぶ、ぜんぶ。




「好きなの....っ」



好きだから。大好きだから。


こうしてずっとずっと悩んできた。

いつも踏ん切りをつけられずに留まってきた。


そうして貴方には彼女ができてしまったけど。


私は....伝えたい。


あなたに、私の大きな想いを。

たとえ、拒まれてしまったとしても。

あなたのことを追いかけ続ける。






「華....」


「!」


その声ではっと目が覚める。

そしてきいちゃんを見ると。


「....」


ひとつ、ゆっくりと頷いた。


「っ、ありがとう....」


私もそれにひとつ頷き返すと。



すぐに立って保健室のドアを開けた。






大好きな人に、想いを届けるために。








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