第4章 夢のなかだけじゃ物足りない❥豊臣秀吉
その日の夜、華がくれた香り袋を使って寝たら、すんなりと眠れた。
しかし。夢を見たのだ。それも、華の夢を。
華の夢を見ただけならまだいい。
華が俺に告白している夢だったのだ。
「秀吉さんっ、私っ、秀吉さんの、事が、好き...!!」
華が、必死に自分の思いを伝えてくる。
そうして俺は華の想いに答える。
そんな、幸せな夢を見たのだ。
翌朝。
華のくれた香り袋、効果覿面だな。...それに、あいつの夢も見られたし。一石二鳥としか言いようがない。
そのときは、まだ華の夢を見れて幸運だったな、なんて位にしか思っていなかったのだ。
華の夢を見たことが、あんなことに繋がるとは俺は微塵も思っていなかった。
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その日の朝も華の夢を見て起きた。
それは嬉しいことだが、秀吉は最近困っていた。
夢の中の華が可愛すぎて、現実の華も愛でたい。
そういうふうに思ってきてしまっているのだった。
でもそれは言い換えると、今の華との関係を壊すということ。
それだけはどうしても避けたかった。
今の関係に満足しているわけもないが、これ以上先に行くのがこわいような気もする。
だから秀吉は今の華との関係を壊したくなかったのだ。