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『イケメン戦国』永遠に紡ぐ恋ノウタ

第34章 SAY YOU LOVE ME 『前編』❥伊達政宗




すると。


何故かこちらを向いていた政宗と目が合う。


(え....)


だけどその目は一瞬にして外されてしまい。

ただの思い込みだったか、とまた肩を降ろす。



(もうそろそろ、潮時なのかな。)


これまでずっと政宗を追い続けてきたけど。


政宗はきっと私のことなんてもう眼中にない。


なら、もう、新しい恋に向かうしかないのかな。




「... 華?」


「!!」



そこで呼ばれた声に頭を上げる。

するとそこには待ち望んだ姿....



ではなく。



私の友達の、きいちゃんが居た。


「もうみんな帰ってたけど..何してるの?」


「え!?」


慌ててあたりを見回すも、誰もいない。

政宗さえもいなくなっていた。



(う、うそ....!!恥ずかしい....)


一人で下を向いて突っ立っていたなんて、恥ずかしすぎる。


「あ、ありがとうきいちゃん、わ、私もう帰るね...」


「?うん、気をつけなよー?」


きいちゃんの優しさに感謝してようやく足を進める。


校門へと向かいながら、何だか惨めな気持ちと、恥ずかしい気持ちとがせめぎ合っていた。


(はやく、帰りたい)



そう思って校門へと足を急がせたとき...




「あれ、華?」



「..え....」


聞き覚えのある声がした。

それにぱっと顔を上げる。

すると、




「久しぶりだな!今日は応援に来てくれてたのか?」



「...まさ、むね」



校門で誰かを待っていたと見られる政宗が私に近寄ってきた。


「最近お前の姿見ないからさ、何してるんだろとか思ってたんだよ」


そう言って笑みをこぼす政宗。


その笑顔は、私の大好きなものの筈なのに。



なぜか、今は苦しかった。



(...毎日、来てたよ。)


気づかなかったの?


毎日毎日政宗を応援するために通って、精一杯声も出してたのに、気づかなかったの?


何だか嫌な言葉を言ってしまいそうな気がして、私はぱっと視線を逸らす。


そしてようやく言葉を絞り出した。



「ご、めん政宗。最近来れなくて。私、ちょっと忙しくなっちゃってさ...」



何だかしどろもどろになってしまった言葉たち。



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