第31章 星空は愛の囁き❥共通
「....」
「....」
二人の間に沈黙が流れる。
(...どうしましょうか)
三成は少し悩んでいた。
ついさっきそこで家康様と華様が話しているのを聞いてしまい....
自分も華様と星空を見たいと思って声をかけたのだが。
座る席は二人でギリギリらしい。
(...でも、家康様だけに良い思いはさせたくない..なんて。)
自分もそうだが、きっと家康様も華様のことが好きだ。
きっとそこであわよくば....を狙っているのだろう。
(それは阻止したかったのだけど....)
三人でいけると思っていたものの、二人しか行けないということになり。
それで複雑な沈黙が二人の間に流れていた。
そして最初に口を開いたのは、家康様。
「...お前、絶対わざとだろ。」
「...なんのことでしょうか」
流石にそうですと言えるものか。
そして今度は私から声をかけた。
「...家康様、勝負、致しましょう。」
「...は?」
家康様が何だよそれ、と言いだけな顔で私を見つめるも、気にせずに続ける。
「家康様も華様がお好きなのでしょう?ならば男同士、華様の隣の席をかけて勝負しませんか?」
「何だよそれ。先に誘われたのは俺だけど。」
華様が好き、ということは明言はせずに言葉を放つ家康様。まぁ、好きなんだろうけど。
それなら私と状況は同じだ。ならば戦う理由が出来る。
それと...私は家康様が食いつくであろう言葉を投げかけた。
「それとも...弱いから私に負けるとお思いですか?」
「は?」
家康様があからさまに不機嫌な顔を見せる。
「弱いって何。別に弱くないから。いいよ。その勝負乗ったげる。」
こうすれば家康様が食いつくと分かっていた。
(誘導尋問みたいだったかな、まぁいいか。)
華を勝ち取るためにはいろいろな作戦もいるということだ。
「...で。なんの勝負にするの」
家康様がむすっとしながらも話しかける。
それに私はこの前華様から教えてもらった遊びを家康様に提案した。