第1章 貴方と永遠に歩んでいきたい『前編』❥伊達政宗
(すごくキレイな人...)
腰まで綺麗にのびた髪の毛はきちんと整えられていて、顔立ちもすごく綺麗な人だ。鼻も高くて目もぱっちりしている。
(政宗..視察じゃないの??)
疑問符が頭に浮かびまくったその時、
「行きませんか??」その綺麗な女の人が言った。
「あぁ、」と政宗が返事した途端、
その女の人は指を政宗の手に絡めた。
(!?)
しかし、政宗はそれを振りほどこうともしなかった。
(え、なんで...?)
不安がどんどん私を襲った。
でもその女の人は更に決定的に私を畳み掛けた
政宗の顔に自分の顔を近づけたのだ。
(あ、嘘...)
足を動かそうとしても動かない。
(やだ、やだ、やだ...!!)
でもそう願っている間にどんどん2人の距離は縮まって行く。
そしてとうとう...
二人の距離がゼロになった。
あの時の事はもう何も覚えていない。
必死に走って走って御殿まで帰ってきたのだけは覚えている。
だけど一番忘れてほしい事が忘れられていなかった。
あの二人キスしてた...
どこかで政宗は心変りしないと信じていた。どこかで安心していたのだ。でもあんな綺麗な人がいたらそりゃ心変りするよね、なんて思ってもみないことが浮かんできた。
そしてようやく手の中の反物に気づいた。
(私、ばかみたいだ...)
政宗の為を思って買った反物。
もちろんさっきのようなるんるんの気持ちはどこかに行ってしまった。
(私、どうすればいいんだろう...)
私はもう政宗に愛されていないの??
政宗はもう他の人の所に行ってしまったの??
政宗は私のことを...
アイシテイナイ。