第1章 貴方と永遠に歩んでいきたい『前編』❥伊達政宗
ある日のこと...
(今日は良い反物買えたなあ!)
るんるんで私は反物屋さんからの帰路へとついていた
それにはある理由があり...
いつもの反物屋さんでいつものように反物を見ていた時だった。私の目に飛び込んだのは私の大好きな人の瞳と同じ色をした素敵な反物だった。
(わあ、政宗にすごく似合いそうだぁ...)
「すいません、これいくらですか??」
いつものおじさんが答えた
「ああ、それはすごく珍しい生地で作られているから少し高いんだけど...」
その言葉を聞いた私は衝撃だった。針子で稼いでいたお金全財産を使わないと買えないほどだったのだ。
でも...
華の目には政宗の喜ぶ顔が目の裏に浮かんできた。
(それに...)
最近政宗とあまり喋れていないのだ。
仕事が多く大変らしいのでご飯も一緒に食べれないような状況だ。
そのため今日も視察といって朝早くに出かけていったため、華も寂しい、恋しいという気持ちがどんどん大きくなっていっているのだった。
(これで着物を作ったら話のタネにはなるよね。政宗とちゃんとお話したいなぁ...)
その思いもあり、財布はすっからかんになったが、華の気持ちは満帆になったのだった。
そしていつもの角を曲がろうとしたとき...
(政宗?)
政宗がこちらを背中に向けて誰かを待っているように見えた。
大好きな人の背中だ。見間違えるはずがない。
(どうして政宗が...)
疑問はたくさん湧いてきたが、それより政宗に会えたという嬉しさが勝った。
(驚かせちゃおうかな?)
そのつもりで政宗の背中をそっと追い掛けた時だった。
「政宗さん!」
「おぉ」
(...え?)