第30章 愛が貴方に届いたら❥明智光秀
(いきなり軍議に呼ばれるなんて...何があったんだろう。)
光秀さんに起こしてもらった?翌日。
私は久しぶりに軍議に呼ばれていた。
(私も呼ぶ理由なんてあるのかな....)
軍議というのは武将達でするものではないのか。
でも、光秀さんにも会えるだろうし拒む理由は無いしな....
そんなことを考えている間に広間につく。
久しぶりの軍議に少し緊張しながらそっと襖を開けた。
「失礼します....」
そっと中に入ると、いつものメンバーがもう出揃っていた。
上座に座っているのは信長様。
その両側に秀吉さん、政宗、家康、三成くん、
そして...光秀さん。
光秀さんは私の方を見ずに前を見据えている。
「よく来たな。華。」
信長様は相変わらず上からだけど....
「あの、私はどうして呼ばれたんでしょうか。」
一番気になっていたことを聞く。
だけど、
「特に理由は無い。」
「えっ!?」
そう言い切る信長様につい声が漏れてしまった。
「貴様の顔を見たいと思っただけだ。」
「っ、そ、そうなんですか...」
(そこも言い切るんだ...)
何だかいたたまれない気持ちになって久しぶりに座る末座へと座った。
私が座ったのを確認して信長様が声を上げる。
「今から軍議を始める。....光秀。早速だが報告しろ。」
(っ、光秀さん...)
私はその単語に反応する。
だけど光秀さんはひとつだけ驚いたように信長様を見たが、淡々と報告を始めた。
「...知っていたとおり、この前の領地の件の班長を拷問しました。」
(ご、拷問...)
光秀さんからその言葉が出てきたことに少し落胆する。
(やっぱり光秀さんの役割はそういうことなんだよね...)
こういうことをしなければならないのは知っているが、やっぱり光秀さんの役目なんだ、と心が痛くなる。
だけど光秀さんは淡々と報告を続ける。
「するとやはり情報を喋ったのでこれからその領地へと行ってきます。」
(え、そうなの...?)
何日くらい行くんだろう。
そう思った矢先、政宗が口を開いた。
「光秀、お前の領地はそこなんだろ?」
「あぁ。だからかなり長くなる。」
(...え。)
その言葉に少し動揺する。