第27章 消えない想いは永遠に。❥明智光秀
私が信長様の顔色を伺っていると。
「もうそこまでにしておいてやって下さい。」
「!」
急に光秀さんの声が響いた。
「今華にはやるべきことがあるので...もう行かなければ。」
と、光秀さんが付け加える。
(!そうだ、夏香さんのこと...!!)
こうして必死に相手をしているうちに忘れてしまっていた。
そして光秀さんに便乗するように叫ぶ。
「そうです!私はやらないといけないことがあるんです!!」
その言葉を聞くと信長様は珍しく興味を示した。
「...ほう。教えてみろ。」
その言葉に私は一瞬考え込む。
(信長様には...話しておいたほうがいいのかな。)
そして横目で光秀さんを見ると...
まるで私が光秀さんのことを見るのが分かっているように光秀さんがこちらを見つめていた。
(...光秀さん、信長様に話して良いですか?)
(...あぁ。いいぞ。)
目だけで光秀さんと会話をしてさっと信長様の方に向き直る。
「あの、実は...」
と、夏香さんのことについて全て話していく。
だけど。
信長様が衝撃的な発言をした。
「...それで、夏香さんが、どうなってるのかって...」
「... 華。話している途中にすまないが
...夏香とは誰だ。」
「...え?」
私は唖然として信長様を見つめる。
だけど信長様は表情を一切変えずにそのまま私に問いた。
「夏香、とは俺が知らない人物だが...。」
「え、なんで...」
夏香さんの存在は信長様もよく知っていた。
ちゃんと話しているところも見たことがある。
でも、横から秀吉さんも顔を出して、
「俺も夏香っていう名前のやつは知らないが、誰なんだ?」
と、私に向けて言った。
「えっ!?」
(一体どうなってるの...?)
信長様はもとい、私が光秀さんの恋仲の人は誰、と聞いたときに夏香だろ、と言ったのは誰でもない、秀吉さんだ。
何故か皆が夏香さんの事を忘れてしまっている。
(それに、夏香さんもどこかに行ったし...本当にどうなってるの...?)
そう思ったその時。