第27章 消えない想いは永遠に。❥明智光秀
「あぁ、それはだな...」
光秀さんはそこまで言いかけてふと止めた。
「?どうしたんですか?」
いきなり言葉を止めた光秀さんに疑問を浮かべる。
すると光秀さんはにやにやとした顔でこちらを向いて...
「秘密、だ。」
と、一際大きく口角を上げた。
「えぇ!?...ひ、秘密ですか?」
(ここまで言っといて!?)
「あぁ、秘密だ。また気が向いたら教えてやる。」
「な、なんでですか!!」
「いや?気が変わって秘密にしたくなっただけだが?」
「ええ!教えてくださいよ〜!」
「秘密と決めたものは秘密だ。」
私が必死に聞こうとするも光秀さんは全然教えてくれない。
(なんなの...!)
少しの不満をそこで抱えた。
「.....それにしても、夏香は何処に行ったのやら。」
しかし、光秀さんがふと呟いた言葉に不満だった気持ちはすぐに吹き飛んでしまった。
(...!そうだ夏香さんはどうなったんだろう)
光秀さんが私がまだこの時代にいるときに光秀さんが私の事を思い出した。
ということは夏香さんは一体どうなったのだろう...?
「...あの、夏香さんはどうなったんですか?」
気になって光秀さんに尋ねる。
が。
光秀さんも私と同じように首を傾げた。
「それが、分からないんだ。」
「え、分からないんですか?」
私がもう一度聞き返すと今度ははっきりと光秀さんは首を振った。
「あぁ、俺がお前を思い出して、夏香にそれを報告しに行こうと夏香の部屋を尋ねたりもしたが、どこにも居なかった。」
「え、どこにも、ですか...?」
「あぁ、どこにも居なかった。」
(なんでだろう...)
私はそこで一人考え込む。
(もしかして光秀さんが私を思い出したせいで夏香さんが抹殺されちゃったとか...?)
一つの答えに辿り着いて私は顔を青ざめた。
(嘘...!じゃあ夏香さんは死んじゃったってこと...?史実にもう合わせる必要がないとかなんとか佐助くんが言ってたな...いやでも夏香さんが消されるなんてことあるの?いやいや...それは流石に...)
こうして私がぐるぐると考え込んでいると、ふいに顔に何かが押し付けられた。
「ん、んぎゅっ!?」