第27章 消えない想いは永遠に。❥明智光秀
「...そして、俺の持っている情報すべてを駆使してお前を追いかけた。普通の戦をする時より手が込んだがな。だがお前を追いかけられるならばそれで良かった。その後に...佐助を見つけてな。佐助にお前が何処にいるか問い詰めた。」
光秀さんの話によると、そこで佐助くんは最初は渋ってなかなか教えてくれなかったらしい。
(...佐助くんらしいな。)
きっと私の気持ちを考慮しての判断だったことは私にも分かる。
「...だが俺がお前を思い出したことを伝えると、うってかわってすぐに場所を伝えた。...あの忍者もお前のことを想っているのがよく伝わった。」
「え、佐助くんが...?」
私はその言葉に驚く。
「あぁ。佐助は十中八九お前を想っているだろう。分からなかったのか?」
「は、はい...佐助くんが私を...」
私の気持ちは光秀さんにしかないが、今では佐助くんの気持ちが分かる気がする。佐助くんは...すごく辛かった筈だ。
(ありがとう、佐助くん。)
私は心の中で佐助くんに感謝を伝えて光秀さんに向き直った。
「...っ、それで私を見つけ出してくれたんですね...?」
「あぁ。お前を必ず行かせたくなかった。」
当然のことのように言う光秀さんに気持ちが溢れだす。
「光秀さん....っ!」
私は勢いのままに光秀さんに抱きついた。
「!」
光秀さんも一度驚いた顔をするが、すぐに抱きしめ返してくれる。
そこで今度は私の想いを語った。
「私っ...光秀さんに忘れられてっ...このままどうなるんだろうと思ってましたっ...光秀さんがいない人生なんて、意味が無いから....っ」
私が抱きつきながらそう言うと光秀さんは更に強く抱きしめ返す。
「...苦労をかけた。だが、これからは側に居る。無論、一生な。」
「...!!」
光秀さんははっきりと言い切る。
それに嬉しい気持ちとこれからはずっと一緒に居れるという気持ちとがぐちゃぐちゃに絡まり合って、それは涙として溢れた。
「み、つひでさっ...」
もう涙で完全に前は見えない。
「お前は泣き虫だな。」
そう言って笑いながら涙を拭ってくれる光秀さん。