第3章 二人の恋の交差点 ❥徳川家康
夢主目線
数週間後...
「え、?」
私が家康さんから聞いた内容は聞いたこともなかった事だった。
「...ごめん」
話によると、私は城にいたときに信長様の側妻と勘違いされていたらしい。それで信長様が私の命の危機を感じ、家康さんの元に預けられた、というわけだった。
そして、私は明日にはもう、城に返されると。
(...じゃあ、)
私が家康さんと同じ想いだったっていうのは、ただの間違いだったってこと?私が自惚れすぎていたの??家康さんは、私に同情していただけって、こと?
そう一人でもんもんと考えこんでいると...
「それで、あんたに話したいことがあるから。夕餉が終わったら俺の部屋に来て。」
「え...」
なんで..と聞こうとした私の唇を家康さんの人差し指が塞いだ。
「返事は、はい、だけでいいの。」
「っ、はい...」
「はい、良くできました。」
そう言って家康さんは微笑み、自室に戻っていった。
心臓がはちきれそうなほどに鳴っている。
それが、答えだった。
(私は、きっと...家康さんへの想いを、止められない。)
家康さんの部屋に行ったときにこの想いも伝えてしまおう。
そう、華は決心した。